社会保障は、人びとの生活を守るセイフティーネットの役割を果たす重要なセクターです。このセクターには、年金、医療、介護、子ども・子育てなどの分野が含まれますが、この中でも、特に近年の国際社会においてニーズが高まっている「健康保険」、介護を含む「高齢者支援」の分野は、先進事例としての日本の経験を大いに活かせる分野です。KRCの社会保障グループは、「健康保険」、「高齢者支援」の分野を中心として、国内の自治体や発展途上国を対象に、調査や計画立案、事業実施などの業務を展開しています。

【健康保険制度の強化に向けて】
「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ（すべての人が、適正な価格で医療サービスを受けられる状態）」の実現に向けて、特に発展途上国において、健康保険制度の整備が急務となっています。KRCでは、これまでにカンボジア、セネガルにおいて既存の健康保険制度に関する調査を実施したほか、ベトナムでは、健康保険制度の強化に向けて技術協力プロジェクトを実施し、相手国政府による戦略計画の策定を支援しました。

【高齢者の支援に向けて】
人口の高齢化は日本をはじめとする先進国における重要な課題の一つでしたが、近年では、東南アジアやラテンアメリカ諸国といった中進国においても、急速な高齢化が進みつつあり、日本の経験を踏まえた支援が求められています。KRCでは、これまでにメキシコにおいて高齢化に関する調査を実施したほか、国内の自治体の業務として、在宅医療や介護保険といった分野における業務に取り組んでいます。