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州立職業訓練センターにおける職業訓練システム強化プロジェクト

プロジェクト概要

イメージ画像
対象国・地域 スーダン共和国
実施期間 2016年02月~2021年11月
発注者 国際協力機構(JICA)
写真屋内電気配線実習の様子

主な活動

スーダン国内では長く続いた南北紛争が南スーダンの独立を経て終結を迎え、紛争の影響はまだ残るものの、人々の生活は安定しつつあり、その結果、製品・サービスに対する国内需要が高まり、技能労働者の需要が拡大しつつあります。また、紛争の影響を大きく受けた社会的弱者の生計向上への支援ニーズも高まっています。このように産業人材育成や、社会的弱者支援に資する職業訓練へのニーズが拡大する一方で、スーダンの既存の職業訓練システムには、職業訓練センター(VTC)の計画能力の不足、訓練実施能力の低さ、予算制約による施設・機材・人員の不足、就業支援体制の未整備など多くの課題があります。また、スーダン全国のVTCを統括する職業訓練・徒弟評議会(SCVTA)においても、慢性的な予算不足やマネジメント能力の不足という課題を抱え、VTCに対する技術指導が十分に行われていません。 このような状況に対し、SCVTAからVTCに対する技術指導を強化すると同時に、VTCがその技術指導を実践できるよう、パイロットとして地方の2カ所のVTCの能力強化を行っています。

担当者から一言

本プロジェクトは、2009年以降、日本が支援を続けてきたスーダンの職業訓練サービス改善の支援成果を取りまとめ、ガイドラインやマニュアル等の「引き継がれる知見」として残すこと、また、それにより多くの人々の生計向上や職業人としての人生の充実につながるような職業訓練サービス提供を目指しています。
プロジェクト実施期間中である2019年には市民革命が起き、新政権が発足しました。新しいスーダンの国造りに市民の期待が高まっています。しかしながら、2020年に入り、新型コロナウイルスの感染拡大やそれによる経済・社会活動への影響など、人々が安定した生活を送るにはまだ多くの課題が残っています。
不安定な社会の中でも自分と家族の生活を守る力をつけられる、技術を身につけて自尊心を高める、そのような価値のある職業訓練の提供に本プロジェクトを通じて少しでも役立ちたいという志を持って、取り組んでいます。