本サイトは、快適にご利用いただくためにクッキー(Cookie)を使用しております。
Cookieの使用に同意いただける場合は「同意する」ボタンを押してください。
なお本サイトのCookie使用については、「個人情報保護方針」をご覧ください。
開発コンサルティング企業間の連携、発信や提言にも携わる
Q:これまでのキャリアを聞かせてください。

私が小学生の頃、エチオピアでの飢餓がテレビで取り上げられ、黒柳徹子さんがユニセフの仕事で現地の子供たちに会う場面が放映されました。その時、自分が日本で十分な食事をとり、学校に行って教育を受けていることが、世界では「当たり前」ではないことに衝撃を受けました。この経験をきっかけに、日本以外の国に関心を持つようになりました。
中学・高校では様々な書籍に触れ、大学ではアフリカ研究を専攻し、実際にアフリカ大陸にも足を踏み入れました。その後、大学院を経てエンジニアリング系の開発コンサルティング会社に海外営業職として入社し、この業界の魅力に触れました。しかし、仕事を重ねるにつれ、営業職としてではなくコンサルタントとして途上国の課題解決に取り組みたいという思いを抑えきれず、専門性を得るために、米国に留学し公衆衛生分野の修士号を取得しました。そして、当社の前身であるシステム科学コンサルタンツ株式会社に入社し、保健医療分野のコンサルタントとなりました。
Q:現在は、どのような仕事を行っていますか?
現在は、保健医療・社会保障部署のマネジメントを行いながら、営業企画・業務推進部の部長として、関係先への営業活動に加え、当社の応札・契約管理・会社窓口を司る役割を担っています。
当社のお客様は、JICAを中心に、日本国内の中央省庁・地方自治体、そして国際機関などです。我々は、お客様が公示・公募した内容を踏まえ提案書を作成するのですが、その提案書が1位となってはじめて、我々はその業務に従事することができます。提案書では、技術面での提案の他、会社実績や価格提案についても記載をしますが、営業部は当社が対応する全ての提案書の取りまとめを担っています。皆でひざを突き合わせて練り上げた提案書が無事1位指名を受けた際には、毎回、思わずガッツポーズが出てしまいます。
また、その後の契約交渉・契約締結、業務開始後の契約管理、問題発生時のサポートにも携わる他、営業面の窓口として客先や協業先、関係先への営業活動、業界としての発信や提言などにも関わるなど、幅広い業務を担っています。
同じ仕事は二度とないから好奇心が止まらない
Q:この仕事の魅力はなんでしょうか?
我々の仕事は、いわゆる途上国の社会課題を解決することを主軸としています。課題解決に向けて、政策とコミュニティの間をつなぐ役割を果たしつつ、仕組みづくりや人材育成を担うための調査・活動を行う、それが我々の仕事です。非常に大きな、夢のある、面白い仕事だと思っています。
また、我々の仕事には同じものが2度とありません。例えば、ある国の母子保健プロジェクトに関わり、その分野の専門家になったとしても、別の国のプロジェクトに関わる際には学び直しが必要です。同じ国の同じ分野でも、時代や政策が変われば以前の知識は役に立ちません。そのため、常に新しいことを学び続けることが求められます。
世界には様々な国があり、様々な社会が存在し、そこに住む人たちがいる。その人たちと一緒に、日本の「技術」を活用して、その国の人たちの暮らしを少しでもよくする、楽しく生きて行けるような環境づくり・仕組みづくりをする仕事―そういったことを面白いと思える好奇心がこの仕事に取り組む原点ですし、最大の魅力です。永遠に終わりがなくて、新しいことや面白いことが常にあって、だから、この仕事が大好きです。
どれだけ信頼を得られるかが重要
Q:仕事を進める上で大切にしているものはなんでしょうか?
我々の業界では、よく「現場で仕事をする」という表現を使いますが、単にその国に赴き仕事をするということではなく、その国に住む人たちの生活を踏まえて仕事をするという意味だと、私は捉えています。若いころ、諸先輩方からも「社会課題の背後には、その国に住む人たちの生活がある、単なる机上の空論ではない」と叩きこまれました。このことが、この仕事の難しさでもあり面白さでもあると思っていて、これを常に胸に抱きながら仕事をしています。
また、この仕事をする上では、相手からどう信頼を得られるか、それにはどうすればよいか、が非常に大事だと思っています。顧客から信頼を得ることが重要だということは一般の取引や商談でも同じなのでしょうが、文化や歴史的背景の全く違う海外で仕事をする我々にとって、日本では常識であることが全くの非常識であることの方が普通です。そのような環境下で、いかに人としての信頼を得られるか、「開発コンサルタント」という仕事をする上では非常に重みがあることではないかと思っています。
ソフトとハードの融合によりグローバルな課題を解決
Q:KRCならではの優位性は何でしょうか。
当社は、政策を作ったり仕組みを作ったり人材を育成する、いわばソフト面のコンサルティングを行っています。グループ会社にあたる日本工営株式会社は、ハード面のコンサルティングを行っており、全世界に海外事務所を展開し地の利を備えています。専門性や技術力に加え、こうしたリソースを活用し、我々もソフトとハードを融合した大きなプロジェクト取り組むことができます。今後もこの利点を活かしつつ、グローバルな社会課題の解決に貢献できるような、いい仕事をしていければと思っています。
